私、実は少し前まで適応障害で仕事を休職していました。
以前、傷病手当のことを記事にしましたが、そのときは自分の適応障害について語るのはちょっと抵抗があったので避けていたんですよね。
でも、いろんな人のブログやニュースを見ていて、働く人のうつ病や心の病気が多いことを知り、思い切って記事にしてみることにしました。
私はいまだ療養中・通院中ですが、無事快方に向かい、いまでは仕事にも復帰できています。
今回は、そんな私の適応障害を(ほぼ)克服できた方法についてお話しますね。
あくまで私のケースですので、すべての方にあてはまるわけではないですが、いま心の病で悩んでいる人、仕事のストレスで苦しんでいる人に少しでも参考にしてほしいなと思います。
★私が適応障害と診断されるまで
新規事業プロジェクトをたった1人で任される
以前も記事にしましたが、いろいろありまして、社内ベンチャーの一環で、新規事業プロジェクトをたった一人で任されることになりました。
一応、結構な人数がいる新規事業開発部の所属でしたが。
実際は…
- 上司もいない(プロジェクトの進捗を確認する立場の責任者が不在)
- 相談する同僚もいない
- だけど会社の経費を使ってるんだから結果は早く出せと言われる…
そんな環境で1人で1年間なんとか頑張っていました。
私は、根はクソ真面目で負けず嫌いなので、配属当初は「成果を出して、私1人に任せた会社の幹部の鼻をあかしてやろう!」といきまいて奮闘しました。
が、なにせ一人なもんで、いろいろキャパオーバーすぎましたね。当然です。
事業計画の作成、試作品の開発、量産計画、協力企業の開拓などなど全て自分でやらないといけないうえ、
これまでと全く違う分野の仕事だったこともあり、毎日がパニックでした。
時間も足らないし、能力、経験値、人手…あらゆるものが足りてない状態。
だれにも相談できないし、毎日孤独で仕方なかったです。
役員のごく一部の人以外は、会社の上層部は、この新規事業プロジェクトに乗り気じゃなかったため、会社での私の立場もほんと苦しいもんでした。
(てか、なんでそんな状態で私一人でやらせたのか謎w)
上層部が乗り気じゃないんですから、同じ部署の人間もやや引いて見ている、そんな感じ。
簡単にいえば、社内には味方になってくれる人はほぼゼロでした。
帯状疱疹を発症する
そんなもんすごくアウェイな状態で孤軍奮闘、仕事をしていた私ですが、ある日、役員向け会議で進捗報告をすることになりました。
試作品もなんとか形になり、今後の展開などをまとめて報告にのぞみました。
自分でもヌケヌケで、あまあまな報告内容であるのは、百も承知してました。
この報告からどんな指摘を受けるやろうか…と期待した私があほでした。
報告の結果は、指摘や叱責どころか…
まさかのノーリアクション。
報告会の最後に、役員の1人から「いい余興になったよ。」と言われました。
その言葉がショックで悔しくて…内心狂ってしまいそうでした。
その日は、悔しさと憤りで泣きまくりながら、自宅まで1時間以上かけて歩いて帰ったのを覚えています。
その数日後から、強烈な腰痛や発熱があり…病院にいくと帯状疱疹と診断されたワケです。
この時点では、帯状疱疹はただの疲れか何か程度にしか考えてませんでした。
じつは、帯状疱疹は心の病気のサインだったということは後々知ることになるんですが…
頭痛とめまい、動悸…謎の体調不良が続く
帯状疱疹を完治したあとは、私の新規事業プロジェクトに対する、会社の風当たりがさらに厳しくなりました。
結果をだせ!そうじゃないとプロジェクト打ち切りだ、という感じの圧力です。
そう言うばかりで、一切の援助やアドバイスがないのは相変わらずです。
でも、これまで頑張ってきて、それなりに結果が出てきて、あきらめたくなかった私は、協力企業とさらにコツコツと開発を進めていきました。
社内とは正反対に、協力企業さんとは、とても良い関係が築けて、「この開発品、いつか世に出したいですね!」なんて熱く語りあいながら、取り組んでいたんです。
そんなある日、今度は、通勤途中に頭痛とめまい、動悸が激しくなり、会社にたどりつくのもやっとという状態になりました。
出社してからも、この「なぞの体調不良」は全く治りません。
挙句の果てに、大量の汗が出てきて、吐き気までもよおす始末です。
なんか、ありとあらゆる体の不調サインのオンパレードな感じでした。そんな日が毎日続きました。
彼氏に相談すると、「それって心因性のものじゃない?ストレスだよ。心療内科にいきなよ!」といわれました。
それまでも仕事のことでいろいろ彼には相談に乗ってもらってましたが、帯状疱疹の発症以降、早く心療内科にいくように強く勧められていました。
そんな彼に私は、「心療内科って、そんなおおげさな。O型でまったくデリケートじゃない私が、心の病気なんかかかるはずないやーん。」といつも適当にかわしてたんですね。
でも、どう考えてもおかしい体調不良の連続に、おそるおそる、心療内科を受診を決めました。
ついに心療内科を受診。適応障害と診断される
心療内科に予約し、診察を受けました。私の場合は、初診は1時間半くらいでした。
普通の病院の診察と違うのは、医師と自分のことについてゆっくりお話(カウンセリング)するという感じですね。
医師に、いまの仕事の状況や、それに対する不満や悩みをぜーんぶ聞いてもらいました。
もうね、初めから終わりまで泣きっぱなしです。
自分でもびっくりするくらい、せきを切ったように泣きじゃくりながら話していました。
もう数年分の涙は流したんちゃうかと思うレベルです。
診察の結果、医師から「軽度のうつ、適応障害、自律神経失調症」と診断されました。
また、帯状疱疹はうつ病などの心の病気の特徴の一つということも、そのとき知りました。
「まじか。私が心の病気とか…まじなのか。」
しかも先生からは一刻もはやく休職することを勧められたんです。
えw!休職て!!まじか。
その日は、休職については考えさせてほしいと医師に伝え、帰宅しました。
この私が心の病気なんか…とかなりな衝撃を受け、自分でもその事実をなかなか認められませんでした。
我慢したけど、やっぱり身も心も限界で休職を決めた
その後も、なんとか会社にいくものの、体調は悪くなる一方。
このころには、さすがに自分の精神状態がやばいということを認めだしていました。
「あーほんまに私、心の病気なんやなー」と自覚しだしたわけです。
なので、心療内科の受診のことはいわず、現在の仕事の状況で悩んでいること、助けてほしいことを部長や人事部に相談してみました。
そのときの部長や人事部の回答はこんなの。
「できない人間にはプレッシャーをかけないよ。よしさんは、できる人だからあえて苦難を与えるんだ。だから頑張ってほしい。伸びる人が必ず通る道だから…期待しているよ。ふふふ…」
…え。話きいてる?体調不良とかなってんねんで。会話成り立ってないよね、全然。
とまあ、意味不明なことを言われた私の頭の中はというと…
あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ーーーーーーーーーーー!!!!!・・・・・・・・
ちーーーーん。
自分の中でなんかこんな音がなったんですよね。
プッツンと糸が切れるというより、ご愁傷様という感じですかね。
そこでようやく思いました。
(すでにおかしいけど。)休もう・・・・休もう・・・・
初診から1か月くらいたって、再度、心療内科を受診しました。
医師に状況を伝えると、さらに悪化しているから、もういい加減休職したほうがいいときつく言われました。
私も、会社に相談して休職の意思がほぼ決まっていたので、休職することにしたんですよね。
★適応障害を克服した6つの方法
と、ここまで適応障害になった経緯の説明がかなり長くなってしまいましたが…
人によって、心の病気の回復のプロセスや期間はいろいろだと思いますが、私の場合はこんな感じです。
回復といっても、厳密にはまだ回復途中ですが、仕事に復帰できるまでに持ち直せたので、主治医からもよい流れで回復しているといわれました。
そんな私の適応障害の対処法はこんな感じです。
すべて、医師から勧められたことですよ。
1.とにかく休職する(病気のもととなる環境から離れること)
私は、心療内科の初診で休職をすすめられましたが、仕事のこと(なんせ一人でしていたので、私がいなくなると進みません)、会社でのキャリア、他人の目などなど…いろんなことを気にして休職に踏み切れませんでした。
その結果、症状をさらに悪化させることになってしまったんです。
今思えば、初診のときに、医師の進めに従って、休職していればよかったなーと思います。
だって、とにかく会社を休職期間に入ったその日から、私の場合は、ストレスは激減しまたんですからね。
「あ、今日から会社いかなくていいんだ…」この思いだけでどれだけ、いろんな重荷やらネガティブな感情が消え去ったかわかりません。
医師から、「適応障害の治療の第一歩は、ストレスの元から距離を置くこと。」と教えられました。
実際に休職してみて、この効果を身をもって知りましたね。
2.しっかり睡眠をとる
休職前は、ベッドに入ると、仕事のことをあれこれ考えて、一日2~3時間程度しか眠れていませんでした。ほぼ毎日不眠状態だったわけです。
睡眠って、心も体も健全な生活を送るうえで、めちゃくちゃ重要ですよね。
睡眠の重要性については、こちらの記事に詳しく書いてます。
不眠な状態だと、体の不調の原因になるだけでなく、考えがとてもネガティブになって、悪いことばかり考えて、その無限ループが頭の中で起こるんです。
なので、休職後の過ごし方として医師から勧められたのは、まずしっかり睡眠をとること。7~8時間の睡眠は必須と言われました。
私の場合は、どうしても不眠が治らなかったので、依存性の低い睡眠薬を医師から処方してもらい、それを飲んでいました。
ちなみに、睡眠の重要性について、DaiGoさんのこの本でも紹介されていました。
3.規則正しい生活をする
私、それまでは完全に夜型で、夜遅くまでブログ作業や海外ドラマを見たりしてました。
医師から、規則正しい生活(朝8時には起きる)に切り替えるよう言われました。
体がそのサイクルを覚えれば、不眠も解消し、それが心の安定につながるとのこと。
少し前に読んだダイゴさんの本でも、朝方生活が人間の精神や健康にいいようなことも書いていたし、やはりそれは正しいんやな~と実感。
相当な夜型だった私は、はじめは苦しかったけど、23時から24時くらいに寝て、8時から9時くらいには起きる生活に切り替えていきました。
4.とにかく好きなことをしまくる
「とにかく会社のことは考えず、自分の好きなことをして過ごす」…これ耳にタコできるくらい医師から言われました。
私の場合は、海外ドラマを観たり、つんどく状態だった本を読んだりして過ごしました。
特に心理学の本をたくさん読み漁りましたね。
主治医に言われていることがより理解できるし、自分の病気を治すためにも、心理学の本で得た知識は役立ちましたよ。
あと、外に出かけられるくらいまで落ち着いてからは、映画を見に行ったり、近くのカフェで読書したりしていました。
また、ブログもいい薬になりましたね。
ブログで自分の内面を表現することで、頭の中が整理できるし、自分のことを客観視することができるんですよね。
また、自分と向き合うことで、今後の方向性が見えてきたりもしました。
方向性が見えるまでは結構時間かかりましたが、自分なりに深いところまで内省できたのはブログのおかげだなと思ってます。
ちなみに、休職中にとても影響を受けた心理学の本はこちらです。
ワークショップ形式になっていて、簡単に自己分析ができます。
悩んでいる人は解決策を見つけられるし、元気な人は、自分のことを理解できてさらにウハウハになれる…そんな一冊です。
5.運動する
休職の少し前からジムに通っていましたが、休職後も無理しない程度で通ってました。
とくに休職直後は、精神的に不安定でふさぎがちでしたが、ジムで30分でも運動するだけで、うそみたいに頭がすっきりしました。
運動したあとって、不思議とマイナスな感情が消えるんですよね。かわりに、アグレッシブになり、人間はより創造的になるようです。
(ってこれも、さっきのDaiGoさんの本に書いてました。どんだけ押すねんw)つまり、心が元気な状態になるそうです。
なので、気分が落ち込んだときほど、ジムで適度な運動をして、心も体もリフレッシュさせていましたね。
6.会社のことは一切考えない
会社のことは一切考えない、嫌なことは一切しない。これって意外と難しいんです。
とくに会社のストレスや環境で休職した人は、ついつい会社のこと、考えて思い悩んじゃうんですよね。
たとえば、休職後の会社の状況とか考えたり、復帰後のこととか悩んだり。会社のことなんか考えたくないのに、考えちゃう。考えたくないのに…矛盾ですね…
私の場合、休職直後は、会社のことをちょこちょこ考えていましたが、うえに書いたとおり好きなことをして、規則正しい生活をしているうちに、会社のことは気にならなくなりました。
★「苦しい…」「何かおかしい」と感じたら、すぐに対処しよう。心の病気は恥ずかしがることでも何でもない。
仕事やその他なんでも、悩みで精神的につらいときは、まずつぎの2つを試してみてください。
- 信頼できる人に相談する(信頼できる友人や家族、パートナーがおすすめ)
- それでもどうしようもないときは、心療内科を受診する
心の病って、なかなか自分では認めたくないし、心療内科に行くこと自体、まずめちゃめちゃ抵抗ありますよね。
世間では、心の病気について、まだまだ偏見や誤解がたくさんあります。私の田舎なんか、心療内科に通ったりしてると、たちまち変人扱いされてしまいますからね。
でもね、正直、いざ心の病気になったら、人になんといわれようが知ったことではありません。
そんなこと気にしていたら、自分の体が壊れてしまいます。そうなったら元も子もないです。他人が私の人生を生きてくれるわけではないんです。
しょうもないこと言って噂をする人たちなんか気にせず、「だめかも…」と思ったら、すぐに心療内科にいきましょう。
★まとめ
どえらい長い記事になりました。すいませんです…
私の場合は、帯状疱疹など明確な体のサインが現れていました。そのレベルになるまで、まったく自分の心の不調に気づかずにいたんですね。
今考えると、こわいですね…
適応障害やうつは、だれにでも発症しうる心の病気です。「私に限ってそんなことない。」という思いちがいは捨て去りましょう。
少しでも体や心のサインを感じ取ったら、信頼できる人に相談するなり、病院に行くなり、早めに対処しましょうね。我慢は禁物ですよ!
ではでは。